おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒーは世界中で愛される飲み物ですが、
その生産地によって風味や特徴は大きく異なります。
中央アメリカの小国エルサルバドルは、
コーヒー生産において重要な地位を占める国の一つです。
火山灰に富む肥沃な土壌、
適度な気候条件、
そして伝統的な栽培技術が、
エルサルバドルコーヒーの魅力を生み出しています。
この記事では、
エルサルバドルの歴史と文化に根ざしたコーヒー産業について詳しく解説します。
エルサルバドルコーヒーの特徴

エルサルバドルコーヒーの最大の魅力は、
その味わいの良さにあります。
独特の酸味とマイルドな味わいが特徴で、
飲み口の良さが評価されています。
品種の多様性
エルサルバドルでは、
ブルボン種をはじめとする様々な品種のコーヒーが栽培されています。
中でも、
エルサルバドル発祥の「パカマラ種」は注目を集めています。
パカマラ種は、
トロピカルフルーツのような風味が特徴的で、
国際コンテストでも優秀な成績を収めています。
また、
ゲイシャ種やパーカス種といった希少品種も栽培されており、
コーヒー愛好家から高い評価を受けています。
こうした品種の多様性が、
エルサルバドルコーヒーの魅力を一層高めています。
標高と土壌の影響
エルサルバドルでは、
標高の違いによってコーヒーの等級が分けられています。
標高が高いほど、
コーヒー豆の熟成が遅くなり、
より芳醇な風味が生まれます。
一方、
火山灰に富む肥沃な土壌も、
コーヒーの味わいに影響を与えています。
こうした環境条件の違いにより、
エルサルバドルのコーヒーには多様な味わいが生まれています。
それぞれの地域で育てられたコーヒーを楽しむことができるのが
魅力の一つです。
精選とローストの技術
エルサルバドルでは、
コーヒーの精選方法として水洗式が一般的です。
この方法により、
コーヒーの酸味を引き立たせ、
爽やかな後味を生み出しています。
また、
焙煎度合いやパン挽きの方法にもこだわりがあり、
エルサルバドルコーヒーの個性を最大限に引き出すよう工夫されています。
豆の状態に合わせたカスタマイズが可能なのも魅力の一つです。
主要品種 | 特徴 |
---|---|
ブルボン種 | 飲み口の良さと上品な香り |
パカマラ種 | トロピカルフルーツのような風味 |
ゲイシャ種 | 花のような香りと複雑な味わい |
エルサルバドルコーヒー産業の変遷

エルサルバドルのコーヒー産業は長い歴史を持ちますが、
近年では大きな変化を遂げています。
黄金時代から内戦による落ち込み
1880年代にコーヒー栽培が始まったエルサルバドルは、
一時は世界第4位の生産国にまで成長しました。
しかし、
内戦や病害虫の影響で生産量が大幅に減少し、
産業は衰退しました。
この時期を経て、
エルサルバドルのコーヒー産業は質重視の方針へと転換しました。
高品質なスペシャルティコーヒーの生産に力を入れるようになったのです。
サビ病への対策と品種改良
2012年にサビ病が蔓延したことをきっかけに、
耐病性の強いハイブリッド品種への植え替えが進みました。
一般流通品では、こうした品種が主流となっています。
一方で、スペシャルティコーヒー向けには、
パカマラやゲイシャなど、
比較的栽培が難しい品種が好まれるようになりました。
こうした品種改良により、
高品質なコーヒー生産が可能となっています。
国を挙げた品質向上への取り組み
エルサルバドル政府は、
国立コーヒー研究所を設立するなど、
コーヒー産業の振興に力を入れています。
品種改良や栽培技術の研究が行われ、
高品質なコーヒー生産につながっています。
また、
UCC農事調査室などの民間企業も、
エルサルバドルの知見を活かした取り組みを行っています。
ハワイコナオリジナルのコーヒー開発など、
新たな挑戦が続いています。
エルサルバドルコーヒーの文化的側面

エルサルバドルにおいて、
コーヒーは重要な産業であるだけでなく、
文化的にも深く根付いています。
国民の誇り
コーヒーはエルサルバドルの主要な輸出品であり、
国の重要な収入源となっています。
そのため、
国民からも誇りの対象とされています。
国花にコーヒーノキが選ばれているのも、
その証しと言えるでしょう。
エルサルバドル人にとって、
コーヒーは単なる飲み物ではなく、
自国の文化と密接に関わる存在なのです。
伝統的な栽培方法の継承
エルサルバドルには、
代々受け継がれてきた伝統的なコーヒー栽培方法があります。
例えば、
収穫期には家族総出で豆を手摘みすることが一般的です。
こうした伝統は、
単に栽培技術としてだけでなく、
コミュニティの絆を深める重要な文化的役割も担っています。
コーヒー農園ツーリズム
近年、
エルサルバドルでは
コーヒー農園を観光資源として活用する動きが見られます。
農園の見学や収穫体験、
コーヒー試飲など、
コーヒーを通じて同国の文化に触れることができます。
こうしたツーリズムの推進は、
コーヒー産業の振興だけでなく、
エルサルバドルの文化や歴史を国内外に発信する機会にもなっています。
エルサルバドルコーヒーの未来

今後のエルサルバドルコーヒー産業には、
さらなる発展が期待されています。
新品種の開発
エルサルバドルでは、
新たな品種開発が進められています。
例えば、
UCC農事調査室がハワイコナ農園でパカマラ種の検証を行っているように、
各企業が新品種の可能性を探っています。
こうした取り組みから、より高品質で特徴的な新品種が生まれることが期待されます。
環境への配慮
近年、
エルサルバドルでも
オーガニックコーヒーの生産が盛んになっています。
JAS認証を受けた高品質な豆が用いられ、
環境への配慮も行われています。
持続可能な生産方式の普及は、
エルサルバドルコーヒー産業の将来にとって重要な課題です。
こうした取り組みが進むことで、
さらに質の高いコーヒーが生み出されるでしょう。
グローバル市場への展開
エルサルバドルコーヒーは、
これまで比較的知名度が低かったものの、
高品質なスペシャルティコーヒーとして評価が高まってきました。
今後は、
より幅広い市場へと展開していくことが期待されます。
コーヒー愛好家から注目を集めるパカマラ種をはじめ、
エルサルバドルコーヒーの素晴らしさが世界に広まっていくことでしょう。
まとめ
エルサルバドルは、
小国ながらコーヒー生産国として重要な地位を占めています。
火山灰に富む肥沃な土壌と適度な気候条件が、
高品質なコーヒー生産を可能にしてきました。
品種の多様性や伝統的な栽培方法、
精選とローストの技術にも注目が集まります。
内戦などの困難を乗り越え、
現在ではスペシャルティコーヒーの生産に力を入れるエルサルバドル。
パカマラ種をはじめとする新品種の開発や、
環境に配慮した持続可能な生産方式の導入など、
同国のコーヒー産業には今後さらなる発展が期待されています。
世界に誇れるコーヒーの一つとして、
エルサルバドルコーヒーの魅力は高まり続けることでしょう。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。