おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒー愛好家の間で、
ケニアコーヒーの名声は広く知られています。
アフリカ大陸東部に位置するケニアは、
気候と土壌の恵まれた条件により、
世界最高峰のコーヒー生産国の一つとして評価されています。
本記事では、
ケニアコーヒーの魅力と特徴、
生産の背景にあるストーリーを探ります。
ケニアコーヒーの特徴
ケニアコーヒーの最大の特徴は、
フルーティーな酸味とコクのある味わいのバランスにあります。
焙煎の度合いによって、
風味の表情は大きく変わります。
焙煎度合いによる味わいの変化
浅煎りのケニアコーヒーでは、
柑橘系の明るい酸味が際立ちます。
中深煎りになるとコクと苦味のバランスが良くなり、
深煎りではスパイシーで複雑な風味が楽しめます。
このように焙煎度合いを変えることで、
ケニアコーヒーの個性豊かな魅力を存分に味わうことができます。
焙煎士の腕が問われるケニアコーヒーですが、
豆の質が高いため、
適切な焙煎であれば素晴らしい味わいが引き出せます。
新鮮な豆を使い、
焙煎後4日〜10日が最適な飲み頃とされています。
プレミアム品種が生み出す上品な香り
ケニアで主に栽培されているのは、
SL28、SL34、Ruiru11などのプレミアム品種です。
これらの品種は、
洗練された上品な香りと複雑な味わいが特徴です。
中でもSL28とSL34は、
スコット・ラボラトリーで発見された伝統品種で、
ケニアコーヒー文化を代表する銘柄となっています。
フローラルでフルーティーな香り、
滑らかな口当たりが魅力的です。
生産地の環境が生み出す個性
ケニアコーヒーの個性は、
生産地の環境にも大きく影響を受けています。
主な生産地であるニエリ県の赤土と標高1,500m~2,000mの理想的な気候条件が、
コーヒーの品質を高めています。
朝夕の寒暖差、適度な降雨量、豊富な水源など、
ケニア中央高地の環境はコーヒー栽培に最適な条件が整っているのです。
ケニアのコーヒー産業
ケニアのコーヒー産業は、
小規模農家と品質管理施設の連携で成り立っています。
生産量は世界25位と決して多くありませんが、
品質の高さから世界的な評価を受けています。
ファクトリーによる品質管理
ケニアのコーヒー生産には、
“ファクトリー”と呼ばれる精製施設が重要な役割を果たします。
ファクトリーでは、
周辺の小規模農家から集められたコーヒーチェリーが一次処理を経て、
二次加工施設に送られます。
ファクトリーの存在により、
零細な農家でも高品質なコーヒー生産が可能となっています。
生産量は少なくとも、
品質管理が徹底されているのがケニアコーヒーの強みです。
マーケティングエージェントによる流通
ファクトリーで二次加工されたコーヒー豆は、
“マーケティングエージェント”に販売が委託されます。
マーケティングエージェントは、
オークションや直接取引を通じて国内外の業者に販売を行います。
このシステムにより、
公平な取引が実現し、
品質と価格の透明性が確保されています。
堀口珈琲やBEARS COFFEEなどの日本の専門店も、
優良なマーケティングエージェントからケニアコーヒーを買い付けています。
農家支援と関係性の維持
近年、
気候変動の影響で高品質なコーヒー生産が難しくなっています。
しかし、
コーヒー業者は農家との長年の信頼関係を大切にし、
適正な価格での買い付けを心がけています。
堀口珈琲は20年以上にわたり優良ファクトリーのコーヒーを継続的に買い付け、
生産者との関係性を重視してきました。
こうした取り組みにより、
ケニアコーヒーの魅力が守り継がれているのです。
ケニアコーヒーを味わう
ケニアコーヒーの魅力を最大限に引き出すには、
適切な抽出方法が重要です。
ブラックでハンドドリップするのがおすすめです。
ハンドドリップで引き出す香り
ケニアコーヒーの個性を存分に味わうには、
ハンドドリップが最適です。
注湯の温度と時間を調整することで、
フルーティーな香りと滑らかな口当たりを最大限に引き出せます。
抽出時間は2分程度が理想的で、
長めにするとケニアコーヒー特有の渋みが強くなります。
温度は92℃前後がおすすめです。
ブラックで味わう醍醐味
ケニアコーヒーはブラックで飲むのが一般的です。
ミルクを入れるとフルーティーな酸味が薄れてしまうためです。
ブラックなら、
上品な香りとコクのある味わいを余すところなく楽しめます。
アイスコーヒーにもぴったりで、
水出しコーヒーでも個性が引き立ちます。
カップオブエクセレンスで高得点を獲得するケニアコーヒーは、
ブラックで飲んだ時の魅力が際立っています。
家庭でも本格的な味わいが
高級店で味わうようなケニアコーヒーですが、
自宅で簡単に本格的な味わいが楽しめます。
専門店の豆を利用するのがおすすめです。
焙煎後すぐの新鮮な状態で淹れれば、
フルーティーな香りとコクのある風味が口の中に広がります。
ドリッパーやコーヒーサーバーなど、
道具さえ用意できれば本格的な味を手軽に堪能できます。
ケニアコーヒーのこれから
ケニアコーヒー産業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
しかし、
生産者と買い手の努力により、
質の高いコーヒーが供給され続けています。
気候変動への対策
温暖化による気候変動の影響で、
ケニアではコーヒーの収穫量が不安定になる傾向にあります。
一方で気温上昇に強い新品種の開発や、
農業技術の向上などの対策が進められています。
BUCKLE COFFEEでは、
持続可能な農業を目指す生産者を支援しています。
有機肥料の使用や節水農法の導入など、
環境にやさしい農業の普及に取り組んでいます。
ケニア文化の継承と発信
ケニアコーヒーには、
その土地の文化が色濃く反映されています。
バリスタやコーヒーハンターは、
ケニアを訪れてコーヒーを学ぶとともに、
生産者の想いを伝えることで、
ケニアコーヒー文化の継承と発信に貢献しています。
例えば、
2018年からは毎年「ケニア・コーヒーウィーク」が開催されるなど、
ケニアコーヒーの認知度向上に向けた取り組みが広がっています。
新たな可能性への挑戦
ケニアコーヒー業界には、
ジェンダー平等の実現やフェアトレードの推進など、
新たな挑戦も生まれています。
女性の社会進出を後押しする活動や、
生産者に適正な対価を還元する取り組みが進められています。
質の高さだけでなく、
生産の過程における公平性やサステナビリティーにも目を向けることで、
ケニアコーヒーの価値は一層高まるでしょう。
まとめ
ケニアコーヒーの魅力は、
フルーティーな酸味とコクのある風味のバランスにあります。
気候と土壌に恵まれた環境で育つコーヒー豆は、
プレミアム品種ならではの華やかな香りと複雑な味わいを生み出します。
生産者と流通業者、
消費者が一体となって、
ケニアコーヒー文化を支えています。
高い品質だけでなく、
サステナビリティーと公平性にも着目しながら、
ケニアコーヒーの新たな可能性が切り開かれています。
ブラックでハンドドリップして味わう、
上品でフルーティーなケニアコーヒーの魅了的な世界をぜひご賞味ください。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。