おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒー愛好家の間で、
グアテマラのコーヒーは高い人気を誇っています。
この中米の国は、
火山に恵まれた肥沃な土壌と標高の高い山岳地帯を有しており、
上質なコーヒー豆の産地として知られています。
本日は、
グアテマラのコーヒーについて、
生産地域、品種、味わい、歴史などの視点から、
詳しく解説していきます。
グアテマラのコーヒー産地
グアテマラには、
様々な個性的なコーヒー産地が点在しています。
代表的な産地について、
その特徴を見ていきましょう。
アンティグア
首都グアテマラシティの南西に位置するアンティグアは、
グアテマラを代表するコーヒー産地です。
標高1,500~1,600mの高地に広がる農園では、
リンゴやアプリコットを思わせるフルーティな酸味と、
ミルクチョコレートのようなまろやかなボディが特徴的なコーヒー豆が生産されています。
アンティグアのコーヒーは、
昼夜の気温差が大きいため、
実がゆっくりと熟成し、
上品で繊細な味わいに仕上がります。
120年以上の歴史を持つ老舗農園が多数存在し、
代々受け継がれた伝統的な栽培方法と品質管理に力が入れられています。
フエフエテナンゴ
グアテマラ北西部の高地に位置するフエフエテナンゴは、
SHBと呼ばれる最高級のコーヒー豆の産地です。
標高1,500~2,000mの理想的な環境で育つコーヒー豆は、
濃厚なコクと香り高いフルーティな味わいが魅力的です。
フエフエテナンゴは気候が穏やかで年間を通して快適なため、
コーヒーの栽培に適した土地となっています。
専門家による品質管理体制が整備されており、
高品質なコーヒー豆の生産が可能となっています。
アカテナンゴ
アカテナンゴは、近年注目を集めているグアテマラのコーヒー産地です。
標高1,500~1,800mの高地に広がる農園では、
クリーンでシャープな後味が特徴的なコーヒー豆が生産されています。
アカテナンゴでは、
高級品種のゲイシャ種を含む様々な品種が栽培されており、
個性的な風味が魅力です。
有機栽培にも力を入れており、
安全性と環境に配慮した生産が行われています。
グアテマラのコーヒーの歴史と文化
グアテマラでのコーヒー栽培は、
18世紀半ばに修道士によって始められました。
以来、
コーヒー文化は長い年月をかけて発展を遂げてきました。
コーヒー栽培の始まり
1750年代、
修道士がコーヒーノキを持ち込んだことがグアテマラのコーヒー栽培の始まりとされています。
当初は庭園での栽培が中心でしたが、
1850年頃から本格的な商業生産に移行していきました。
コーヒー生産の拡大に伴い、
専門的な知識や技術の習得が求められるようになりました。
政府や生産者団体の主導により、
品質管理やマーケティングの体制が整備されていったのです。
ANACAFEの設立
1969年、
コーヒー生産者や輸出業者による共同出資により、
グアテマラ全国コーヒー協会(ANACAFE)が設立されました。
ANACAFEは、
生産者への技術指導、品質管理、販売促進活動など、
幅広い役割を担っています。
ANACAFEの活動によって、
グアテマラのコーヒー産業は飛躍的な発展を遂げました。
高品質なコーヒー豆の生産と輸出が可能になり、
世界市場での評価も高まったのです。
現代のコーヒー文化
現在、
グアテマラのコーヒー産業には約120万人が従事しており、
主要な輸出品目の一つとなっています。
伝統的な栽培方法と最新の技術が融合し、
高品質なコーヒー豆が生み出され続けています。
近年では、
スペシャルティコーヒーの需要の高まりを受け、
様々な加工方法が導入されるなど、
新しい試みも行われています。
グアテマラのコーヒー文化は、
これからも進化を続けていくことでしょう。
グアテマラコーヒーの味わい
グアテマラのコーヒーは、
産地や品種、焙煎度合いによって、
様々な個性的な味わいが楽しめます。
一般的な特徴としては、
フルーティな酸味とチョコレートやナッツを思わせるコクが挙げられます。
酸味の種類
グアテマラのコーヒーの酸味は、
産地によって異なる特徴があります。
例えば、
アンティグア産はリンゴやアプリコットのような柔らかい酸味、
アティトラン産はグレープフルーツやライムを思わせる爽やかな酸味が魅力です。
酸味は、
コーヒーチェリーが熟成する過程で生成される有機酸によって生み出されます。
標高の違いや気候条件が、
酸味の質や量に影響を与えているのです。
コクと甘み
グアテマラのコーヒーは、
濃厚なコクと上品な甘みが特徴的です。
SHBなどの高級豆は、
チョコレートやナッツのような深みのある味わいが魅力です。
このコクと甘みは、
コーヒー豆の成分であるシュガーレスト量と関係があります。
標高が高く、昼夜の気温差が大きいほど、
シュガーレストが増加するため、
より濃厚な味わいが生まれるのです。
焙煎による味わいの変化
焙煎の度合いによっても、
グアテマラコーヒーの味わいは大きく変化します。
ライトロースト(浅煎り)では、フルーティで酸味が際立ち、
ダークロースト(深煎り)では、コクと苦みが強まります。
中煎りでは酸味とコクのバランスが良く、
花のような繊細な香りも楽しめます。
コーヒー通にはダークローストがおすすめですが、
個人の好みに合わせて焙煎度合いを選ぶのが良いでしょう。
グアテマラコーヒーの銘柄と評価
グアテマラには、
世界的に高い評価を受けている様々な銘柄のコーヒーが存在します。
有名な農園や生産者、
フェアトレード認証を受けた製品などを紹介します。
エル・インヘルト農園
アンティグア地区に位置するエル・インヘルト農園は、
グアテマラを代表する高級コーヒーの生産地です。
標高1,500m以上の高地で、
伝統的な栽培方法を継承しながら、
徹底した品質管理を行っています。
エル・インヘルトのコーヒーは、
リンゴやブドウのようなフレッシュな酸味と上品な甘味が調和した味わいが特徴です。
ワインのようにヴィンテージごとの個性が楽しめる逸品と評価されています。
フェアトレード認証コーヒー
グアテマラには、
フェアトレードの認証を受けたコーヒー生産者が多数存在します。
フェアトレードとは、
生産者に適正な対価が支払われ、
人権や環境保護にも配慮された取引を指します。
代表的な例として、
マヤ・トゥース農園があげられます。
このコーヒーは、
チョコレートのような濃厚な味わいが特徴的で、
フェアトレードによって生産者の生活向上にも寄与しています。
銘柄 | 産地 | 品種 | 焙煎度合い | 価格(100g) |
---|---|---|---|---|
エル・インヘルト | アンティグア | ブルボン | R:3 | 900円 |
マヤ・トゥース | フエフエテナンゴ | カトゥーラ | R:4 | 800円 |
フィンカ・エル・ヴァイェ | アカテナンゴ | ゲイシャ | R:2 | 1,200円 |
まとめ
グアテマラは、中米有数のコーヒー生産国として、
高品質な製品を世界中に送り出しています。
火山に恵まれた肥沃な土壌と、
標高の高い山岳地帯が理想的な環境を作り上げ、
フルーティで上品な味わいのコーヒー豆が生産されているのです。
アンティグアやフエフエテナンゴ、
アカテナンゴなどの主要産地に加え、
フェアトレード認証を受けた生産者も存在し、
グアテマラコーヒーの魅力は多岐にわたります。
コーヒー文化の歴史も深く、
品質管理体制も整っているため、
今後もスペシャルティコーヒーの供給地として注目されることでしょう。
ぜひ、
グアテマラの個性的で上質な味わいを、
ご自身の舌で体験してみてください。
きっと、
新たな魅力に出合えることと思います。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。