おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒーは世界中で愛されている飲み物ですが、
その味わいを左右する重要な工程が「焙煎」なのです。
焙煎の程度によって、
コーヒーの風味や香り、
色合いが大きく変化します。
本日は、
焙煎についての詳細をお届けします。
焙煎の種類

焙煎には、
大きく分けて「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3つの種類があります。
焙煎の度合いが浅いほど酸味が強く、
深いほど苦味が増します。
浅煎り
浅煎りは、
豆の内部温度が約200度前後で焙煎を終える方法です。
焙煎時間が短く、
豆の新鮮な酸味や果実味が残されます。
代表的な浅煎りのタイプには、
ライトロースト、シナモンロースト、ミディアムローストなどがあります。
浅煎りのコーヒーは、
フレッシュでクリアな酸味と豆本来の風味が魅力です。
しかし焙煎が浅いため、
コクや甘みは控えめになります。
エスプレッソよりも、
ストレートやペーパードリップなどで楽しむのがおすすめです。
中煎り
中煎りは、
豆の内部温度が約210〜220度前後で焙煎を終える一般的な方法です。
酸味と苦味のバランスが取れており、
コーヒーの基本的な味わいが感じられます。
代表的な中煎りのタイプには、
シティロースト、フルシティローストなどがあります。
中煎りは酸味と苦味が程よくバランスしているため、
どんな抽出方法でも楽しめます。
エスプレッソはもちろん、
アイスコーヒーやカフェオレなど、
さまざまな楽しみ方ができるでしょう。
深煎り
深煎りは、
豆の内部温度が230度以上の高温で焙煎を行う方法です。
焙煎時間が長く、
豆の苦味が増し、
コクのある味わいになります。
代表的な深煎りのタイプには、
フレンチロースト、
イタリアンローストなどがあります。
深煎りのコーヒーは、
濃厚でスモーキーな風味とコクが特徴的です。
しかし過度な焙煎は、
豆の風味を損ねてしまう可能性があります。
カフェオレやカフェモカなど、
ミルクを加えた飲み方が人気です。
焙煎の工程

焙煎は、
生豆を加熱することで風味を引き出す重要な工程です。
適切な焙煎条件を整えることが、
おいしいコーヒーを作る上で欠かせません。
生豆の準備
焙煎の第一歩は、
高品質な生豆を選ぶことです。
生産地、品種、農園など、
生豆の情報を確認しましょう。
生豆はロットごとに特性が異なるため、
事前にカッピングして品質チェックを行うのがおすすめです。
次に、
生豆の除去作業が必要になります。
異物や割れ豆、
異常豆を取り除き、
品質を均一にします。
また、
ブレンドする場合はこの段階でブレンド比率を決めます。
焙煎機の選定
焙煎機には、
ドラム式やフルイドベッド式、
直火式など、さまざまな種類があります。
家庭用の手動焙煎機から、
本格的な業務用機械まで幅広く選択できます。
焙煎のスタイルや生産量に合わせて、
適切な焙煎機を選びましょう。
焙煎機の種類によって、
温度設定や制御方法が異なります。
熟練した焙煎士は、
機械の特性を熟知し、
最適な焙煎曲線を描くことができます。
焙煎機の選定は、
コーヒーの味わいを左右する重要な要素なのです。
焙煎工程の管理
焙煎中は、
豆の状態を常に監視し、
適切な温度と時間を保つ必要があります。
焙煎の各段階で起こる「クラック」の音や、
豆の色、香りの変化などから、
焙煎の進行状況を判断します。
焙煎曲線を参考にしながら、
タイミングを見計らって豆を冷却します。
急冷によってさらなる焙煎を止め、
理想的な焙煎度合いに仕上げられます。
焙煎後は、デガス(生成ガスの抜け)のために一定期間休ませることが大切です。
家庭での焙煎

最近では、
家庭でも簡単に焙煎できる環境が整ってきました。
自分で焙煎することで、
好みの味わいを楽しめるのが魅力です。
家庭用焙煎機の選び方
家庭用焙煎機には、
手動式やホットプレート式、
遠赤外線式など、
さまざまな種類があります。
初心者におすすめなのは、
操作が簡単な手動式の焙煎機です。
ホットプレートタイプやドラム式は、
温度管理が難しい傾向にあります。
焙煎量は100g程度が一般的で、
価格は1万円前後からと手頃です。
焙煎時間は10〜20分ほどかかりますが、
新鮮な豆を毎回焙煎できるのが最大の魅力です。
焙煎の手順
まず生豆を焙煎機に入れ、
中火で加熱を始めます。
豆が乾燥して発する「第一クラック」の音を合図に、
リズミカルに手動で振ります。
次に「第二クラック」が聞こえたら、
好みの焙煎度合いまで続けます。
焙煎が終わったら、
すばやく豆を取り出し、
うちわなどで冷やします。
豆の温度が下がったら、
外気に2〜3日さらすことで生成ガスを抜きます。
このデガス工程を経ることで、
本来の味と香りが引き立ちます。
家庭焙煎のメリット
- 新鮮な豆を好みの焙煎度で楽しめる
- 焙煎の過程を体験できる
- 手軽に趣味として楽しめる
- コストパフォーマンスが良い
初期投資は少し必要ですが、
焙煎を通じてコーヒーの奥深い世界に触れられるのが魅力です。
焙煎の達人を目指すのも良し、
気分転換の趣味として楽しむのも良しです。
プロの焙煎

コーヒー専門店やロースターでは、
より高度な焙煎技術が求められます。
プロの職人技が、
上質なコーヒーの味わいを生み出します。
高性能な焙煎機
プロ用の焙煎機は、
高度な温度制御と均一な熱処理が可能です。
熱風焙煎機やフルイドベッド式焙煎機などが使われ、
豆1kgから数kgまでの大量生産に対応できます。
コーヒー豆への熱の行き渡りを均一にすることで、
焙煎ムラを防ぎ、
安定した品質を実現します。
温度プロファイルを詳細に設定できるため、
コーヒーの個性を最大限引き出せるのがメリットです。
焙煎プロファイルの設計
プロの焙煎士は、
豆の品種や産地、
精製度合いなどを考慮し、
最適な焙煎プロファイルを設計します。
焙煎温度曲線や焙煎時間を細かく調整することで、
理想的な味わいを実現します。
焙煎の各段階で起こるケミカルリアクションを理解し、
コントロールすることが重要です。
熟練の焙煎士は、
経験と勘を総動員して、
コーヒーの個性を最大限引き出す焙煎を行います。
コーヒー専門店のこだわり
一流のコーヒー専門店は、
豆の仕入れから焙煎、
抽出に至るまで、
こだわりを持っています。
例えば、
ロクメイコーヒーでは、
カッピングを重ね、
焙煎度合いやレシピを慎重に検討しています。
季節や豆の状態によって焙煎の条件を変え、
店としての味の軸を保つ努力を重ねています。
プロの技術とこだわりが、
最高の一杯を生み出すのです。
まとめ
焙煎は、
コーヒーの味わいを決める重要な工程です。
浅煎りから深煎りまで、
焙煎度合いによって風味が大きく変わります。
家庭でも手軽に焙煎を楽しめますし、
プロの技術を知ることで、
さらにコーヒーの奥深さを実感できるでしょう。
焙煎を通して、
コーヒーの新たな一面に出会えるはずです。
焙煎の魅力に惹かれる人が増えることを期待しています。
豆の個性を最大限に引き出し、
素晴らしい一杯に出会えることを願っています。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。