おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒー業界で最近注目を集めているのが、
アナエロビック製法を採用したコーヒー豆です。
従来の製法とは一線を画すこの革新的な方式は、
酸化を最小限に抑えた状態で豆を発酵させることで、
これまでにない独特の風味と香りを実現します。
本日は、アナエロビックコーヒーの魅力と特徴、
さらには入手方法などについて、詳しくご紹介したいと思います。
アナエロビックコーヒーとは

アナエロビックコーヒーは、
その名の通り「嫌気性発酵」を利用した珈琲豆の製造方法です。
一般的なコーヒー豆の加工では、
酸化による発酵が欠かせませんが、
アナエロビック製法ではその過程を経ずに発酵が行われます。
製造工程
具体的な製造工程は以下の通りです。
- まず、コーヒーチェリーの外皮を取り除き、パーチメントコーヒー(生豆)を取り出します。
- 続いて、この生豆を酸素の入らない密閉された容器に移します。
- 嫌気性環境下で発酵が進行し、独特の風味が生み出されます。
- 発酵後、生豆は乾燥・焙煎されて出荷される製品となります。
特徴的な風味
アナエロビック製法の最大の特徴は、
酸化を抑えつつ発酵を行うことで生み出される風味の独自性にあります。
一般的なコーヒーとは一線を画す、
以下のようなユニークな味わいが楽しめます。
- ワインのようなフルーティーな香り
- ベリー系の甘みと酸味
- スパイシーなニュアンス(シナモンなど)
- 花の香りを思わせる後味
このようにアナエロビックコーヒーには、
通常のコーヒーにはない新鮮な魅力が存在します。
単に飲み物としてだけでなく、
芳醇な香りと味わいを楽しむ「体験」としても注目されているのが現状です。
産地と品種

アナエロビックコーヒーの産地や品種も、
その味わいに大きな影響を与えています。
一般的に、以下のような地域や種類のコーヒー豆がよく用いられます。
エチオピア
アナエロビック製法の発祥の地ともいえるエチオピアでは、
ゲシャやイルガチェフェ等の在来品種を使ったコーヒー豆が高い評価を得ています。
野生のコーヒー樹に由来する豆は、
奥深い味わいと複雑な風味を持ち合わせています。
品種 | 特徴 |
---|---|
ゲシャ | 柑橘系の華やかな香り、豊かな酸味 |
イルガチェフェ | ベリー系の甘み、穏やかな苦味 |
中米諸国
コスタリカやコロンビア、
エルサルバドル等の中米諸国も、
アナエロビックコーヒーの主要な産地となっています。
気候条件にも恵まれているため、
発酵による風味が最大限に引き出されています。
- コスタリカ:赤系果実の芳香、適度なコク
- コロンビア:ライチやマンゴーのような香り
- エルサルバドル:チョコレートのようななめらかさ
このようにアナエロビックコーヒーの特性は、
産地や品種によって様々な表情を見せてくれます。
産地の個性を最大限に活かした豆を選ぶことで、
これまでにない新鮮な体験ができるはずです。
通販での入手方法

国内では、
一部の専門店や通販サイトで
アナエロビックコーヒーの取り扱いが始まっています。
自宅でもその魅力に触れられるよう、
いくつかの入手方法をご紹介しましょう。
専門店
こだわりのコーヒー豆を数多く取り扱う専門店では、
アナエロビックコーヒーの品揃えが充実しています。
店頭で試飲もできるため、
事前に風味を確かめることもできます。
- 福井県福井市:武珈琲ラボ
- 東京都渋谷区:ブルーボトルコーヒー渋谷スクランブルスクエア店
- 神奈川県横浜市:ベアナツコーヒーロースターズ
通販サイト
コーヒー通販の大手サイトでは、
アナエロビック製法の商品が次第に増えつつあります。
様々な産地や焙煎度の豆を気軽に試せるのが最大のメリットです。
- カルディコーヒーファーム公式通販
- UCC公式通販「UCCMILLIONATS」
- キリマンジャロコーヒー公式通販
通販での購入の場合、
豆の状態や焙煎度合いが事前にわかるため、
自分好みの一品を見つけやすくなっています。
産地や風味の詳細なレビューも参考になります。
おすすめのコーヒー豆

実際にアナエロビックコーヒーを手に取る際の参考として、
おすすめの銘柄をいくつかご紹介します。
キリマンジャロコーヒー:カリコ アナエロビック
キリマンジャロコーヒーの人気シリーズ「カリコ」から、
アナエロビック製法の新作が登場しました。
ラムレーズンや洋ナシを思わせる味わいと華やかな花の香りが特徴的です。
- 産地:コロンビア
- 品種:カトゥーラ
- 精製:アナエロビックファーメンテーション
武珈琲ラボ:エチオピア ゲデブ
福井の老舗ロースター武珈琲ラボでは、
出身地である福井県のコーヒー農園から仕入れた
エチオピア産の豆をアナエロビック製法で仕上げています。
甘酸っぱいフルーツのような味わいが魅力です。
- 産地:エチオピア イルガチェフェ
- 品種:イルガチェフェ
- 精製:アナエロビックナチュラル
キャメロンバレーコーヒー:エル・ナディール アナエロビック
今回は、
中米エルサルバドル産のアナエロビックコーヒーをご紹介しましょう。
ブルーベリー、バニラ、チョコレートの風味が見事に調和している一品です。
- 産地:エルサルバドル
- 品種:ブルボン
- 精製:アナエロビックハニー
このように、
アナエロビックコーヒーには様々な個性と魅力が詰まっています。
気になる銘柄があれば、
ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
アナエロビックコーヒーは、
従来のコーヒー豆の概念を覆す革新的な製品です。
酸化を抑えつつ発酵を行うユニークな製法は、
これまでにない芳醇でフルーティーな風味を実現しています。
エチオピアを中心に、
中米各国でも良質な豆が生産されており、
様々な個性に出会うことができるでしょう。
専門店や通販を通じて入手が可能になってきたアナエロビックコーヒーですが、
まだ一般的な認知度は低い状況にあります。
しかし、
その奥深い味わいと香りを体験すれば、
きっとコーヒーの新しい魅力に気付けるはずです。
珈琲好きの方は、
ぜひ一度手に取って新鮮な発見をしてみてはいかがでしょうか。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。