おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒーの世界には様々な産地と品種があり、
それぞれ個性豊かな風味を持っています。
その中でもグアテマラ産のコーヒーは、
独特の香り高さと複雑な味わいで、
世界中のコーヒー愛好家から高い評価を受けています。
グアテマラの豊かな自然環境と、
長年にわたる伝統的な製法が生み出す上質なコーヒーの魅力を、
この記事でご紹介します。
グアテマラのコーヒー産地

グアテマラは中央アメリカの北部に位置し、
多くの火山と山岳地帯を有する国です。
この地形的な特徴が、
高品質なコーヒー豆の栽培に理想的な環境を提供しています。
アンティグア地区
グアテマラ西部の高地に位置するアンティグア地区は、
コーヒー産地として最も有名な地域です。
火山の火山灰で肥沃になった土壌と、
標高の高さによる寒暖差が、
香り高く繊細な味わいのコーヒーを生み出します。
アンティグア産のコーヒーは、
柑橘類のような上品な酸味と花のようなフローラルな香りが特徴的です。
アンティグア地区のコーヒー農園では、
長年の経験と伝統を重んじた製法が用いられています。
例えば、
収穫後の乾燥工程では清らかな谷川の水が使われ、
丁寧な手作業によって品質が保たれています。
ウエウエテナンゴ地区
首都グアテマラシティから西に約100kmの場所にあるウエウエテナンゴ地区は、
深いコクとチョコレートのようなリッチな風味で知られています。
この地域の火山の影響で形成された肥沃な火山灰土壌が、
コーヒー豆に濃厚な味わいをもたらします。
ウエウエテナンゴ地区の有名な生産地の一つ、
ラ リベルタード農園のコーヒーは、
まとまりのあるコクと豊かな甘味、
オレンジを思わせる風味が特徴的です。
この農園では1860年代から伝統的な製法が受け継がれており、
最高品質のコーヒーを生み出しています。
その他の主要産地
- フライハネス: 繊細な香りと柔らかな口当たりが特徴
- オリエンテ: 甘みと柔らかい酸味のバランスが良い
- サンマルコス: 深いコクと複雑な味わいが魅力
グアテマラコーヒーの歴史と品質管理

グアテマラでのコーヒー栽培は、
18世紀の中頃から始まりました。
当初は修道士によって持ち込まれたコーヒーノキが、
徐々に広がっていきました。
19世紀半ばにはコーヒー産業が大規模化し、
その後も品質向上への取り組みが続けられてきました。
ANACAFE(グアテマラ全国コーヒー生産者協会)
1969年に設立されたANACAFEは、
グアテマラ国内のコーヒー生産者を代表する組織です。
生産者への技術支援や品質管理、
プロモーション活動などを行い、
グアテマラコーヒーの品質と知名度の向上に大きく貢献しています。
ANACAFEでは毎年、
生産者を対象とした品質コンテストを開催しており、
優れたコーヒーが表彰されています。
このようなコーヒー品質への強いこだわりが、
グアテマラコーヒーの高い評価につながっているのです。
グレーディングシステム
グアテマラコーヒーには、
品質に応じた等級が設定されています。
最高グレードは「SHB(Strictly Hard Bean)」と呼ばれ、
標高1,370m以上の高地で栽培された最高品質の豆のみに与えられます。
SHBのコーヒーは、
濃厚なコクと複雑な香り、
上品な酸味が特徴的です。
グレード | 説明 |
---|---|
SHB | 最高グレード。標高1,370m以上の高地で栽培された最高品質の豆。 |
HB | 標高1,050〜1,370mの中程度の高地で栽培された良質な豆。 |
PB | 標高850m以下の低地で栽培された一般的な品質の豆。 |
グアテマラコーヒーの魅力

グアテマラコーヒーの最大の魅力は、
その豊かな香りと複雑で奥行きのある味わいにあります。
火山の恵みを受けた土壌と、
標高の高さによる寒暖差が、
コーヒー豆に理想的な育ち方をさせているのです。
香りの魅力
グアテマラコーヒーを一口飲むと、
まず芳醇な香りが広がります。
フローラルでフルーティーな香りが特徴的で、
例えばオレンジやベリー、
ジャスミンのようなニュアンスがあります。
この香りの豊かさは、
グアテマラの気候風土と製法の賜物なのです。
コーヒーの香りには、
生産地や品種、
焙煎度合いによって様々な個性がありますが、
グアテマラコーヒーは全般的に香り高いのが特徴です。
コーヒー愛好家なら、
この魅惑的な香りの世界に惹きつけられることでしょう。
複雑で奥行きのある味わい
グアテマラコーヒーは、
単に香り良いだけでなく、
その味わいにも深みと奥行きがあります。
産地によって若干の違いはありますが、
一般的には酸味・コク・苦みのバランスが絶妙で、
複雑な味わいを楽しむことができます。
柑橘系の上品な酸味、
チョコレートやナッツのようなコク、
そしてほのかな甘みが調和しており、
一口ごとに異なる味わいが感じられます。
また、
口の中に長く余韻が残る点も魅力の一つです。
グアテマラコーヒーは、
単に飲むだけでなく味わう余裕があると言えるでしょう。
豆の個性と産地の魅力
グアテマラには、
様々な地域で個性的なコーヒー豆が育っています。
例えばアンティグア地区は柑橘のような酸味、
ウエウエテナンゴ地区はチョコレートのようなコク、
サンマルコス地区は複雑な味わいが特徴的です。
産地ごとに異なる気候風土が、
コーヒーの個性を生み出しているのです。
そしてこうした豆の個性は、
必ずしもひとつのみではなく、
時とともに変化していきます。
グアテマラコーヒーは、
その時々の状況に合わせて個性を変えていくのが面白い所でもあります。
産地の魅力をコーヒーカップの中で堪能できるのが醍醐味と言えるでしょう。
グアテマラコーヒーの楽しみ方

グアテマラコーヒーには、
様々な楽しみ方があります。
ストレートでその本来の味わいを堪能するのが基本ですが、
ミルクや砂糖を加えるなど、
それぞれの好みに合わせて味わうこともできます。
ストレート
グアテマラコーヒーの香りや味わいを余すところなく堪能するには、
ストレートで飲むのが最適です。
ペーパードリップやハンドドリップなど、
丁寧な抽出方法を用いることで、
フルーティーな香りやバランスの良い味わいを楽しめます。
焙煎度合いによっても風味は大きく変わるので、
様々な焙煎のコーヒーを試してみるのも面白いかもしれません。
浅煎りだとフルーティーな風味が、
深煎りだとリッチなコクが感じられるでしょう。
ミルク入り
グアテマラの伝統的な飲み方として
「カフェ・コン・レーチェ」があります。
これはコーヒーにミルクとはちみつを加えた飲み物で、
コクと甘みを楽しめるのが魅力です。
グアテマラコーヒーのようにコクがありながらも酸味のあるコーヒーは、
ミルクとの相性が良いと言えます。
お好みで生クリームやシロップなども加えてみるのがおすすめです。
コーヒー専門店での味わい方
コーヒー専門店では、
様々な抽出方法でグアテマラコーヒーを提供していることが多いです。
ハンドドリップ、エスプレッソマシン、サイフォン式など、
色々な方法で味わうことができます。
店員さんにグアテマラコーヒーの魅力を聞いてみるのもよいでしょう。
産地の情報や適した焙煎度、
おすすめの飲み方などを教えてくれると思います。
専門家に教わりながら、
グアテマラコーヒーの奥深い世界に触れるのはとてもよい経験になるはずです。
まとめ
グアテマラは中央アメリカの小国ながら、
世界最高品質のコーヒー産地として名高い国です。
火山と山岳地帯に恵まれた環境が生み出す、
複雑で奥行きのある味わいと豊かな香りは、
コーヒー愛好家を魅了し続けています。
長年の伝統を持つANACAFEによる品質管理の取り組みや、
グレーディングシステムなども、
グアテマラコーヒーの魅力を支えています。
産地ごとに異なる個性を持つ豆、
焙煎度合いによる風味の変化など、
グアテマラコーヒーにはまだまだ発見の余地がありそうです。
ストレートでその本来の味わいを堪能するのはもちろん、
ミルクを加えたり専門店の抽出方法を試すなど、
様々な楽しみ方があります。
ぜひグアテマラコーヒーの奥深い世界に触れ、
その魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。