本当においしいデカフェ豆の作り方に隠された驚きの秘密
おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒー好きの皆さん、こんにちは。
今回は、
カフェインレスコーヒーの製造過程について
詳しく解説したいと思います。
デカフェコーヒーは、
カフェインを気にすることなく、
味わい深いコーヒーを楽しめる魅力的な選択肢です。
しかし、
その作り方には複雑な工程が隠れています。
一体どのようにしてコーヒー豆からカフェインを取り除くのでしょうか?
安全性や風味の維持など、
さまざまな課題をクリアする必要があります。
ここでは、
主要なデカフェ製造方法をひとつひとつ掘り下げていきます。
水抽出法
デカフェコーヒーの作り方の中で、
最も一般的なのが水抽出法です。
この方法は、
コーヒー豆を熱湯に浸して成分を抽出し、
その後にカフェインだけを選択的に除去するというものです。
手順
水抽出法の具体的な手順は以下の通りです。
- 生のコーヒー豆を熱湯に浸し、水溶性の成分を抽出する。
- 抽出した液体からカフェインだけをフィルターで取り除く。
- カフェインが除去された液体に新しい生豆を浸す。
- 豆からカフェインが移動して除去される。
- 上記の工程を繰り返し、最終的にカフェインが99.9%以上除去される。
利点と欠点
水抽出法の大きな利点は、
安全で環境にも優しいということです。
一方で、
コーヒー豆の風味が損なわれてしまう
可能性があるのが欠点と言えます。
また、
作業工程が複雑で手間がかかるという課題もあります。
スイスウォータープロセス
水抽出法の一種として知られているのが
「スイスウォータープロセス」です。
この方法は、
薬品を使わずに水だけでコーヒー豆からカフェインを除去します。
工程は以下の通りです。
- コーヒー豆を水に浸して成分を抽出する。
- 抽出した液体からカフェインのみを濾過で除去する。
- 新しいコーヒー豆をカフェインレスの液体に浸す。
- 豆からカフェインが移動して除去される。
- この工程を繰り返すことで99.9%カフェインフリーの豆ができあがる。
スイスウォータープロセスは、環境に優しく安全性が高い方法として知られています。しかし、手間がかかるという課題は水抽出法と同様に存在します。
有機溶媒抽出法
次に紹介するのが、
有機溶媒を使ってカフェインを抽出する方法です。
この方法は、
コストが安く工程も比較的簡単ですが、
安全性が問題視されています。
手順
有機溶媒抽出法の一般的な手順は以下の通りです。
- コーヒー豆に有機溶媒(ジクロロメタンなど)を浸透させる。
- 溶媒に溶け出したカフェインを取り除く。
- 溶媒を完全に除去して乾燥させる。
利点と欠点
有機溶媒抽出法の最大の利点は、
コストが安くて作業も簡単なことです。
一方で、
有機溶媒の安全性が懸念されているのが大きな欠点です。
また、
風味が損なわれる可能性もあります。
日本での規制
日本では、
有機溶媒抽出法によって製造された
デカフェコーヒーの輸入や販売が規制されています。
安全性への配慮から、
この方法は国内ではほとんど用いられていません。
超臨界二酸化炭素抽出法
最新のデカフェ製造方法として注目されているのが、
超臨界二酸化炭素を用いた抽出法です。
この方法は、
環境にも人体にも優しく、
コーヒーの風味も損なわれないと高く評価されています。
超臨界状態とは
二酸化炭素を特定の温度と圧力の条件下に置くと、
液体と気体の中間的な状態になります。
この状態を「超臨界状態」と呼びます。
超臨界状態の二酸化炭素は、
液体のような溶解力と気体のような拡散力を併せ持っています。
手順
超臨界二酸化炭素抽出法の一般的な手順は以下の通りです。
- 二酸化炭素を超臨界状態にする。
- 超臨界二酸化炭素をコーヒー豆に通す。
- 二酸化炭素に溶け出したカフェインを除去する。
- 残った二酸化炭素を回収し再利用する。
利点
この方法の最大の利点は、以下の3点です。
- 安全で環境負荷が小さい
- コーヒー豆の風味を損なわない
- カフェインのみを選択的に除去できる
近年、
主要なコーヒーチェーンが次々とこの製法に切り替えているのも、
その優位性が理由と考えられます。
その他の方法
水抽出法、
有機溶媒抽出法、
超臨界二酸化炭素抽出法に加えて、
他にもいくつかのデカフェ製造方法が存在します。
スチーム法
コーヒー豆を高圧蒸気に触れさせてカフェインを抽出する方法です。
風味が損なわれやすいのが欠点ですが、
安全性は高いとされています。
ノンカフェイン豆の栽培
本来からカフェインを含まないコーヒーノキを栽培し、
そこから採れた豆を使う方法です。
しかし、
風味の問題から一般的ではありません。
液体二酸化炭素抽出法
超臨界二酸化炭素ではなく、
液体状態の二酸化炭素を用いる方法です。
除去率が非常に高く、
最新の技術と言えます。
まとめ
デカフェコーヒーの作り方には、
水抽出法、有機溶媒抽出法、
超臨界二酸化炭素抽出法などさまざまな選択肢があることがわかりました。
それぞれ一長一短があり、
安全性、コスト、風味の維持など、
様々な観点から検討する必要があります。
自宅で作るのは難しいため、
信頼できるメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。
今後もデカフェコーヒーへのニーズは高まり続けることでしょう。
技術革新によりさらに美味しく、
環境にも優しい製品が登場することを期待したいと思います。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。