おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
長野県白馬村の北東部に位置する山村集落・青鬼は、
日本の棚田百選にも選ばれた美しい景観を有する集落です。
この集落は、
標高760mの山腹に広がる約100枚を超える棚田と、
伝統的な民家が特徴的です。
本日は、
青鬼集落の歴史と文化、
そして自然環境について、
詳しく解説していきます。
青鬼集落の歴史

青鬼集落は、
古くから人々が住む場所として栄えてきました。
この地域には縄文時代から古墳時代にかけて、
装飾品や石器の材料となる鉱物資源が豊富にあり、
重要な拠点だったと考えられています。
縄文時代から古墳時代
青鬼地区は、
縄文時代から古墳時代にかけて重要な地域でした。
白馬岳から産出される滑石や蛇紋岩が加工されて
装飾品や石斧の材料として使用されていました。
また、
この地域は米作りの集落が発展し、
多数の古墳が築かれた場所でもありました。
さらに、
白馬山麓から産出されたヒスイが
縄文時代から古墳時代にかけて運ばれていた「千国道」が通っていました。
この時代の遺構が残る場所として、
青鬼集落は貴重な歴史的価値を有しています。
過去の人々の生活や文化を知る上で、
重要な手がかりを提供してくれるでしょう。
江戸時代の発展
江戸時代には、
青鬼集落は松本藩の一部でした。
当時、
この集落を通る千国街道は塩の運送にも使われていました。
この街道は、
青鬼集落の発展にも大きな役割を果たしたと考えられています。
また、
江戸時代末期には大規模な用水路工事が行われ、
現在の棚田状の水田が開かれました。
これは、
集落の生活基盤を一新する出来事でした。
近代の変遷
明治時代に入ると、
白馬岳の登山が盛んになり、
白馬村の観光業が発展していきました。
しかし、
近代化や過疎化の影響で、
青鬼集落の家屋数は減少し、
耕作地の形態も変化してきています。
そのような中でも、
青鬼集落の伝統的な家屋や棚田は、
重要な文化遺産として保護されるようになりました。
2000年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、
景観の保全に向けた取り組みが進められています。
青鬼集落の文化

青鬼集落には、
806年に創建された青鬼神社があり、
「お善鬼様」と呼ばれる鬼に関する伝説が残されています。
また、
集落の伝統的な民家や文化的な価値も高く評価されています。
青鬼神社と鬼の伝説
青鬼神社は、
806年に創建された由緒ある神社です。
この神社には、
「お善鬼様」と呼ばれる鬼に関する伝説が残されています。
伝説によると、
青鬼の渋右衛門は、
白馬山の奥で猟をしていた人物で、
不思議な力を持つ黄金の弾丸を手に入れたと言われています。
この伝説には、
白馬山の二子岩、二つの池、女竜、渋右衛門、
黄金の弾丸などの具体的な要素が含まれており、
集落の歴史や文化を物語る重要な伝承となっています。
伝統的な家屋
青鬼集落には、
江戸時代末期から近代にかけて建てられた茅葺屋根の大型家屋が残されています。
これらの家屋は「兜造り」と呼ばれる特徴的な形状で、
採光と通風を確保する工夫がなされています。
また、屋根には「水」や「寿」の文字が書かれており、
火災からの防御や祈願の意味があるそうです。
これらの伝統的な家屋は、
青鬼集落の重要な文化遺産として位置づけられています。
集落全体が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されたのも、
こうした価値ある家屋が残されていたためです。
伝統行事と日々の暮らし
青鬼集落では、
田植え時期に北アルプスの山肌に
「代掻き馬」や「種まき爺さん」などの雪形が現れるのを待ち望んでいました。
この雪形は、
春の農作業の開始を知らせる伝統的な目安となっていました。
また、
青鬼堰の維持管理作業も、
毎年4月下旬に村内外からのボランティアも参加して行われています。
このように、
伝統行事や日々の暮らしを通じて、
青鬼集落の文化が現在まで受け継がれてきたのです。
青鬼集落の自然環境

青鬼集落は、
北アルプスの山々に囲まれた標高760mの山腹に位置しています。
この自然豊かな環境は、
集落の景観美を支える大きな要素となっています。
北アルプスの山々
青鬼集落の南西方向には、
北アルプスの雄大な山々が望めます。
白馬岳や葱壇といった名峰が連なり、
四季を通じて様々な表情を見せてくれます。
夏は緑に覆われ、
冬は雪景色に包まれるなど、
山々の姿は常に変化し続けています。
こうした山々の存在は、
青鬼集落の景観を一層魅力的なものにしています。
人々は昔から山々を仰ぎ見ながら生活を営んできたのでしょう。
棚田と用水路
青鬼集落の東側には、
約200枚もの大規模な棚田と用水路「青鬼堰」が広がっています。
この棚田は、
江戸時代末期に4年の歳月と多くの人々の労力をかけて開田されました。
青鬼堰は、
松沢太兵衛と降旗宗右衛門が中心となって開削された3kmの山腹水路です。
この用水路によって、
棚田が潤され、美しい景観が生み出されているのです。
特産品と食文化
青鬼の棚田では、
紫米の栽培が行われています。
この紫米は、
地域の特産品として注目されています。
また、
集落では美味しい米や野菜なども生産されており、
豊かな自然に育まれた食文化が残されています。
地元の人々は、
棚田で育った作物を活かした料理を作ってきました。
こうした食文化の継承も、
青鬼集落の魅力の一つと言えるでしょう。
まとめ
白馬村の青鬼集落は、
古くから人々が暮らしてきた歴史ある場所です。
縄文時代から受け継がれてきた文化的価値と、
北アルプスの山々に囲まれた自然環境が融合し、
独自の景観美を生み出しています。
この集落は、
伝統的な家屋や棚田、
用水路が良好に保たれており、
「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されるなど高く評価されています。
青鬼集落に足を運べば、
日本の原風景に出会えるかもしれません。
集落の魅力を守り伝えていくことが、
私たちにも求められています。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
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二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
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『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。