革新的な”アナエロビック×インフューズド”コーヒーの新境地!
おはこんにちばんわ
長野県白馬村の小さな珈琲屋ガクです。
はじめに
コーヒー業界では、新しい製法が次々と登場し、
コーヒーの可能性を広げています。
その中でも注目されているのが、
「アナエロビック(嫌気性発酵)」と
「インフューズド」です。
これらの製法は、
コーヒーに新たなフレーバーや香りを付与し、
従来とは全く異なる味わいを生み出します。
今回はこの2つの革新的な製法について、
その仕組みや特徴、
実際の商品例などを紹介していきます。
アナエロビック製法とは
アナエロビック製法とは、
コーヒーチェリーの発酵工程で酸素を遮断し、
嫌気性の環境を作り出す製法です。
このことによって、
通常の発酵とは異なる独特の香味が生まれます。
フルーティーな風味
アナエロビック製法のコーヒーは、
ベリー系やトロピカルフルーツのような
強烈なフルーティー香が特徴的です。
これは、
嫌気性発酵によって生成される
特有の香気成分によるものです。
また、
ワインのようなぶどう由来の風味も
感じられることがあります。
このフレーバーの強さは、
抽出方法によっても変わってくるため、
アイスコーヒーにすると
ジュースのような甘い香りが楽しめます。
一方、
ホットコーヒーでは
よりコクのある味わいが際立ちます。
複雑な風味
アナエロビック製法のコーヒーは、
フルーティー香以外にも、
ハーブやスパイス、
ナッツなど、
多様な香味を持っています。
この複雑な風味は、
嫌気性発酵の条件や
時間によって変化するため、
同じ産地のコーヒーでも
様々な表情を楽しめます。
また、
発酵の進行具合によっては、
芳醇で甘い香りが強くなったり、
逆にワインのような渋みが感じられたりと、
発酵時間のコントロールが重要になってきます。
製造方法
アナエロビック製法のコーヒーは、
以下のようなプロセスで作られます。
- コーヒーチェリーを空気に触れないよう密閉した容器に詰める
- 発酵が始まるまで24~48時間待機する
- 48時間以上の長時間発酵を行う(通常は72~96時間)
- 発酵後、水洗いやパティオドライなどで乾燥させる
発酵時間や温度、
湿度などの管理が重要で、
気候や環境によって最適な条件が変わってきます。
生産者の経験と技術が、
品質に大きく影響します。
インフューズド製法とは
インフューズド製法は、
コーヒー生豆に他の食材の香りや
フレーバーを移す製法です。
様々な食材が使われますが、
ここではよく用いられるフルーツやスパイス、
アルコールについて解説します。
フルーツやスパイスのフレーバー
インフューズド製法で
使われるフルーツの代表例としては、
ブルーベリー、ストロベリー、
パッションフルーツなどがあります。
これらのフレーバーは、
生豆に直接フルーツを混ぜ込んだり、
ジュースに漬け込んだりすることで移します。
また、
スパイスでは、シナモン、バニラ、
カルダモンなどが一般的です。
スパイスの風味をコーヒーに付加することで、
まるでスパイシーな紅茶を飲んでいるかのような
独特な味わいが楽しめます。
アルコールのフレーバー
インフューズド製法では、
ワイン、ウイスキー、ラム酒なども使われます。
これらのアルコールに生豆を漬け込むことで、
芳醇な香りや甘みがコーヒーに移ります。
熟成したワインのようなまろやかさや
タンニンの渋みも感じられ、
従来のコーヒーとは一線を画した味わいが楽しめます。
アルコールは使用する種類や量、
漬け込む時間によって風味が大きく変わるため、
生産者の経験と知識が重要となります。
製造方法
インフューズド製法の手順は以下の通りです。
- フルーツやスパイス、アルコールなどの原料を用意する
- 生豆を原料に一定期間漬け込む(数日~数週間)
- 漬け込み後、生豆を取り出して乾燥させる
- 乾燥したら通常通り焙煎する
漬け込む期間や、
原料と生豆の比率、
温度管理などが品質に影響するため、
メーカーごとにノウハウが重要になります。
また、
漬け込む原料によっても
手順が変わる場合があります。
アナエロビックインフューズドの融合
より複雑で独特な風味を求める動きから、
アナエロビック製法とインフューズド製法を
組み合わせた商品も登場しています。
これにより、
フルーティーな香りと
フレーバーの両方を楽しめるほか、
更なる深みや奥行きが生まれます。
樽熟成の影響
アナエロビックインフューズドコーヒーの多くは、
更にワインの古樽などで熟成されています。
樽からは、
オーク由来のコクのある香りやバニラ、
スモーキーなフレーバーがコーヒーに移ります。
これが、
渋みや苦味、酸味のバランスをより整え、
複雑でまろやかな味わいを生み出します。
熟成の期間によっても風味が変わるため、
メーカーは最適な期間を見極める必要があります。
短すぎれば樽の影響が出にくく、
長すぎればコーヒー本来の味わいが
失われてしまう可能性があるためです。
製造方法
アナエロビックインフューズドコーヒーの
製造手順は概ね以下のようになります。
- アナエロビック製法で特有のフレーバーを付与する
- インフューズド製法でフルーツやスパイス、アルコールのフレーバーを加える
- ワインの古樽などで熟成させる
- 熟成後、焙煎して製品化する
製造工程が複雑なため、
様々なバリエーションが生まれます。
フルーツとスパイスを組み合わせたり、
アナエロビックとインフューズドの
順序を入れ替えたりするなど、
生産者の創意工夫が重要になってきます。
実際の商品例
アナエロビックインフューズドコーヒーには、
以下のような商品があります。
商品名 | 特徴 |
---|---|
アナエロビックイエローブルボン ラムバニラインフューズド | ラムとバニラの香りが特徴的で、トロピカルフルーツのような甘味もある |
アナエロビックゲイシャ メルロー樽熟成 | ゲイシャ品種の華やかな香りにメルロー樽からのコクが加わり、味わいに奥行きが生まれる |
ダブルアナエロビック レッドワインインフューズド | 2度のアナエロビック発酵によるフレーバーにレッドワインの風味が重なり、複雑で芳醇な味わいとなる |
このように、
フレーバーやプロセスを組み合わせることで、
様々な表情のコーヒーが生み出されています。
中には苦手意識の強かった人でも飲みやすい商品もあり、
新たな需要層を開拓できる可能性があります。
まとめ
アナエロビック製法とインフューズド製法は、
コーヒーの新たな可能性を切り開く
革新的な手法です。
フルーティーで複雑な香味や、
まるでジュースのような甘さなど、
従来のコーヒーとは
一線を画した味わいを体験できます。
今後はこれらの製法を組み合わせた商品が
さらに登場すると予想され、
より一層個性豊かで魅力的な
コーヒーが生み出されていくでしょう。
これらの新しい製品に触れることで、
コーヒーの新たな魅力に気づくことができるはずです。
単に珍しいコーヒーを試すのではなく、
製造プロセスにも着目してみるのがおすすめです。
発酵条件や原料の選び方、
ブレンドのバリエーションなど、
コーヒーに込められた生産者の努力と工夫を知れば、
味わいを存分に楽しめるはずです。
「一期一杯」を大切に
「スペシャルティコーヒー」をご存知ですか。
スペシャルティコーヒーは、
気候・地理的条件や品種などから生まれる際立った風味特性を持ち合わせた珈琲です。
その理念は
“From seed to cup” =“一粒の種から一杯のカップまで”
の総ての段階において一貫した品質管理が徹底していることが必要とされています。
最後に私たち
HAKUBA COFFEE STANDでは、
茶道の「一期一会の精神」から
一つ一つの出会いを大切に、
二度と同じ時に戻ることはできないのだからその一杯一杯に心を尽くす、
と云う考えを基に丁寧に自家焙煎をして珈琲を長野県白馬村から提供しています。
『元コーヒー苦手』な珈琲屋ガクでした。
最後まで
ありがとうございます。